テレワークの浸透により、部下の仕事ぶりが把握できず、適切な評価が難しくなったなど人事評価に関する悩みを抱えている企業が増えています。
弊法人のセミナーのアンケートでは、人材育成に次いで2番目に多くの方が人事評価について課題があると回答しています(93件中31件)。人事評価制度を適切に運用するためには何が必要なのでしょうか。そもそも苦労してまでなぜ人事評価制度を運用する必要がるのでしょうか。
人事評価は人材育成と人材定着において、大きな効果が期待できるからです。
人材育成のマネジメントサイクルとして
評価項目である目標を管理するサイクルを回すことで、管理職と部下それぞれの能力をひきあげることに繋がります。
働き盛りの若手社員の退職が相次ぐ
20代後半から40代前半にかけての第一線で働く世代の離職理由を見ると、「会社の将来が不安である」、「給料等収入が少なかった」の理由が他の世代と比較しても多いことが分かります。男性に関しては労働時間などの待遇や人間関係よりも割合が大きいです。
表6 転職入職者が前職を辞めた理由別割合
厚生労働省 2019年(令和元年)雇用動向調査結果の概要 資料 日本クレアス改編
給与が少ない、会社の将来が不安であるといった動機は、どこから来るのでしょうか。多くの方は自分の労働の対価が適切に評価されておらず、見合っていないと感じることが多分に考えられます。会社の将来については業界や企業の勢いも考えられますが、社員に対して明確に方針を示せていないことも考えられます。
人事評価制度を通じて次の点を可視化することは、優秀社員の離職防止にも結び付いてきます。
●貢献とそれに応じた給与額の決定の過程
●評価項目を通じての会社の方向性や求める人物像
定期的な見直しが必要
評価の仕組みをどのようにするのかは悩ましい問題です。特に評価項目等は、その会社の考え方(数値や結果を重視するのか、プロセスを重視するのか)や職種・職位により異なりますし、業務ミッションによっては個人ごとに異なる場合もあります。
また刻々と変わる市場環境や企業の成長にあわせても重視するポイントも変わってきますし、時には事業内容も変わることがあります。したがって人事評価制度の効果を引き出すためには定期的な評価項目等の見直しが必要となります。
見直しが行わないと生じる問題とは
- 達成できている目標の繰り返しになり、人材成長につながらず、給与が上がっていく
- 業務の内容に変更があった場合に、自身の業務と評価の項目が合致しておらず納得感が得られない(そもそも評価のしようがなくなる)
- 会社の方向性と個人の目標があっておらず、個人が目標を達成しても会社が期待した結果とならない
人事評価制度の見直しには中間評価が効果的
人事評価の見直しを行う場合には、中間評価(面談)を活用することも効果的です。
上司と部下との面談を通じて、設定した目標の進捗状況を確認し、本人の方向性や目標の認識の違い等があった場合にはフィードバックを通じてすり合わせを行います。中間評価の結果、評価項目の内容や基準が会社のめざすべき方向性や部門のミッションと異なっていることが想定された場合には、次の評価期間における評価項目の見直しを検討していくことが必要です。
日本クレアス社会保険労務士法人の人事制度コンサルティングサービスについて
優秀な人材の定着には、貢献に応じ報酬額を決定することが必要です。日本クレアス社会保険労務士法人では、評価制度・等級制度・賃金制度など、人事制度の構築を支援するコンサルティングサービスを提供しています。
また、評価者研修や法改正セミナーなど、企業のお悩みに合わせてカスタマイズした研修やセミナーを実施するサービスも行っています。
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