人事労務キーワード(1):扶養家族(ふようかぞく)
- 2017年9月12日公開
こんにちは。日本クレアス社会保険労務士法人です。
この「人事労務キーワード」では、日々の業務の中で問い合わせされることが多いキーワードを詳しく解説していきます。
今回は「扶養家族(ふようかぞく)」について解説します。
扶養家族とは?
扶養家族とは、収入がなかったり少なかったりするために、生活の面倒をみてもらっている家族のことをさし、税法や社会保険の一定の要件を満たせば控除や保険料の額において考慮される、という制度があります。
給与収入は103万円以下~「税法上」の扶養家族
年末調整や確定申告で所得税を計算する際、扶養家族がいる場合は扶養控除を受けることができます。
扶養控除の条件は次のとおりです。
- 6親等内の血族及び3親等内の姻族であること
- 生計を一にしていること ※生活の財源が同じであればよく、同居をしていなくても、仕送りによって生活を維持している人も含みます
- 年間の所得が38万円以下であること ※収入から収入を得るための費用を差し引いた額になります
- 個人事業の場合は、専従者でないこと
- 16歳以上であること
上記3.の「年間の所得が38万円以下」ということは、収入が給与だけの人の場合は、基礎控除の65万円を考慮した給与収入で考えると「103万円を超えない給与」であることが必要です。
扶養控除額は、扶養家族1人につき38万円で、扶養家族の年齢によって控除できる金額が多い場合があります。
また、「配偶者」は扶養控除ではなく、配偶者控除や配偶者特別控除が適用になり、扶養控除の対象にはなりません。
給与収入は130万円未満~「社会保険」の扶養家族
健康保険
扶養家族の範囲内の場合、その家族については「保険料を増やすことなく」健康保険に加入できます。
会社勤務の場合、扶養家族の範囲内であればその家族は保険料を支払わなくてもよいですが、扶養家族から外れた場合は、国民健康保険料を支払わなければなりません。
健康保険では、配偶者・子・孫・弟・妹・父母・祖父母などについては同居か別居かに関係なく扶養家族となりますが、兄・姉・叔父・叔母・内縁関係の父母や子などについては同居の要件が必要です。
扶養家族の収入は「130万円未満」である必要があります。
厚生年金
扶養家族は20歳以上60歳未満の配偶者のみです。収入条件は健康保険と同じく「130万円未満」です。
国民健康保険
扶養家族という概念はありません。
国民健康保険では、保険料を納付する単位が「世帯」であるため、同世帯に国民健康保険に加入している人がいれば、世帯主に請求がいきます。
扶養家族に関する控除や保険料額については、年齢などの細かい要件などもありますので、詳細については専門家である社会保険労務士や税理士に相談するとよいでしょう。
日本クレアス社会保険労務士法人でもご相談を承っておりますので、お気軽にご連絡ください。