深化する人事マネジメント~人材開発を見据えた戦略的人事とは?-労務トピックス(アングル2015年5月号)

企業社会を取り巻く環境が激変しているなか、人事マネジメントの在り方も変わってきています。それに伴い、人事部門の機能も変化し、現状維持型から付加価値創造型へ変容していくことが求められています。

今回は、深化する人事マネジメントについて解説いたします。


人事部門の役割の変化

時代の変化、環境の変化により、人事マネジメントの在り方が変わりつつあります。世の中のグローバル化、イノベーション化により、従来型のビジネススタイルでは利益が埋めない時代となり、さらに2012年に改正された高齢者雇用安定法により、希望者全員65歳までの雇用が約束されました。

多くの企業では

  • 60歳以降のシルバー人材をどのように活用すれば、企業パフォーマンスを維持向上させることができるのか
  • 若い社員をどのように育成、開発をかければ企業パフォーマンスを向上改善させることができるのか

等、様々な角度から人事マネジメントを抜本的に見直そうという動きがでてきています。

これからのあるべき人事部門の役割とは

(1)PC(パフォーマンスコンサルタント)

PCとしての人事部門になることが必要です。経営と同じ視野を持ち戦略的な発想ができる人事部門

「どうすれば組織のパフォーマンスを最大、最適化することができるのか」経営とパートナーシップを結び、ビジネスパートナーになっていくことが必要です。

(2)COE(センターオブエクセレンス)

COEという言葉は、大学の研究期間で使用されており、「有能な頭脳と最先端の設備環境を持ち、世界的に評価される研究拠点」という意味があります。

これからの人事部門に求められる機能には、人事領域の専門家組織(COE)として「人」という資源、資本を活用し、組織のパフォーマンス向上のための人事施策を立案できる人事部門になることが必要です

さらに最新の人事施策を打ち出すだけではなく、きちんとモニタリングし、運用の定着を図っていく管理体制が必要です。

(3)OS化(アウトソース化)

人事マネジメントを効率的に行うためにも、人事業務の中のオペレーション的事務作業はできるだけアウトソースしていく考え方が必要です。

人事部門の役割の変化

これからの戦略的人事の視点としては、「経営プランの達成」と、「人的資源の活用」です。人という資源を活用し、経営プラン達成のための人事マネジメントを展開していくことになります。そのためには、採用についても事業計画の実行ぶたいとしてその役割を担える人材を確保し、開発をセットでかけていくことが必要になります。

これまでの採用では、「いかに従業員を動機づけられるか」が焦点となっていました。しかし最近は、「できるだけ事業スペックに近い人材を採用し、育成しながら動機づけを行っていく」順番に変わりつつあります。

人材育成は、従業員全員にたいし一人前レベルまで到達させるトレーニングであり、チャンスは均等に与えられるものです。一方人材開発は、きわめてビジネスパートナーに近い人を育てるため、経営リーダーになれる可能性のある人材に対し、チャンスを公平に与えていく割り切りが必要になります。


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