「定年の延長や廃止」・「シニア層を対象とした評価の実施・副業の解禁」など、シニア社員の働き方について、毎日の様に新聞で大きく取り上げられています。日本クレアス社会保険労務士法人では、シニア人材の雇用に対する関心が高まっていることから、オンラインセミナーを開催致しました。
【シニアの人事制度セミナー】シニア人材活用のために取り組むべき人事制度の見直し(2021/4/21・5/13開催)
90分に亘るセミナーでは、豊富な他社事例とその解説など特にご好評をいただきました。その他、お客様に関心を持たれた箇所についてレポートとして公開いたします。
目次 |
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1.これからのシニアの人事制度 |
1.これからのシニアの人事制度
これまでは年功型賃金のもと総額人件費を抑えるため、定年後再雇用者の処遇を下げ、老齢厚生年金などの公的給付を最大限活用する賃金制度を採用していた企業が散見されました。しかし、今後は労働関連法の改正や社会情勢の変化に伴いシニアの人事制度の見直しが求められます。
<シニアの人事制度の見直しが求められる背景>
- 高年齢雇用継続給付などの公的給付の削減
- 労働人口が減少する中で高いスキルを持った人材の不足問題
- 企業における70歳までの就業確保
- 定年後再雇用者に対する同一労働同一賃金への対応
今後、シニア社員を本格的に活用し業績を上げていくためには、シニア社員の役割を明確にし、シニア社員のための評価制度を整備することも必要です。
2.人事制度の構築に向けて
シニアの人事制度を見直すためには現状確認が欠かせません。年齢階層別の人員構成や人件費を確認し、シニア社員を対象とした意識調査を実施することで、「将来スキルを持った人材の不足が見込まれるのか」、「総額人件費は増加するのか」、「シニア社員はやりがいをもって働けるのか」など自社の課題を整理し、見直すべき人事制度の方向性を検討することが第一歩です。そして企業とシニア社員のニーズにマッチしたシニアの人事制度を構築していくことが肝要です。
3.コース別人事制度例
現役バリバリ型
「現役と変わらず、手腕を発揮してもらいたい」といった会社側の意向と「まだまだ気力体力も十分、老後の備えのために今までと変わらず働きたい」といった社員のニーズに対応するコース。基本的に60歳前と同じ役割、評価、給与の仕組みとする。
ワークライフバランス型
本来は現役並みに働きたいが、介護などの家庭の事情で働き方を一定の範囲に制限したいといった社員のニーズに対応するコース。柔軟な働き方ができるようフレックスタイム制なども採用し、限定的な業務に従事する。
プライベート重視型
「趣味に時間を割きたい。副業をしたい」といった社員のニーズに対応するコース。補佐的な業務とし、短時間勤務や週休3日制としたり、必要に応じて時給制を採用する。
このようにコース別役割や責任を明確にし、シニア社員が希望するコースを自ら選択できる制度とすることも一案です。これからの企業においてはシニア社員の活用力が求められます。企業全体の生産性を向上させていくための施策の一環として、シニアの人事制度の見直しを検討されてはいかがでしょうか。
日本クレアス社会保険労務士法人では、シニア雇用に関するオンライン無料相談実施中を行っています。ぜひお気軽にご相談ください。
日本クレアス社会保険労務士
ディレクター 社会保険労務士 中山 啓子
2012年日本クレアス社会保険労務士法人の設立に携わり、ディレクターに就任。上場企業から中小企業まで規模の大小を問わず、人事労務相談や就業規則改訂、人事制度設計、労務デューデリジェンスに従事。コンプライアンス対応、労使バランスを重視した実践的な研修及び人事労務セミナーを年間20本開催。
日本クレアス社会保険労務士法人は、日本クレアス税理士法人、株式会社コーポレート・アドバイザーズ・アカウンティング、株式会社コーポレート・アドバイザーズM&Aの主要3法人とグループを形成し、総合型会計事務所グループとしてワンストップでサービスを提供できることを強みとしている。